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海風旅ブログ
陸上自衛隊駐屯地モニター
学生のころ、休みで佐世保に帰省し、中心市街地へ出かける時、車を大塔方面(観光客には、ハウステンボス方面がわかりやすい)からバイバスにのって走らせている途中、最初のトンネルを抜けると、港に停泊した灰色の艦艇が街に溶け込んでいる風景が現れます。
この瞬間、わたしは佐世保に帰ってきたなぁと感じたものでした。
佐世保市は、ハウステンボスや九十九島に代表される観光の街であるとともに、1889年に佐世保鎮守府が開かれ海軍の街として発展し、今でも海上自衛隊佐世保地方総監部、陸上自衛隊水陸機動団、佐世保米海軍基地が所在し、この過去から今に繋がる歴史文化、風景は佐世保市に欠かせないものとなっています。
(佐世保港インターを降りてから)
佐世保市には、現在、佐世保地区在籍者の自衛隊員が、海上自衛隊で約5,000人、水陸機動団で約2,100人(平成31年4月現在)いらっしゃるそうです。佐世保市の人口が約23万人ですから、市民の100人に3人は、自衛隊員ということになり、ご家族を含めると更に多くなります。
※米海軍佐世保基地に在籍する隊員数は、約5,700人(令和3年4月現在)だそうです。
タイトルにある「陸上自衛隊駐屯地モニター」は、防衛省が地域住民等に対し自衛隊及び駐屯地に関する意見及び要望を伺い、今後の諸施策に反映させることを目的としたものです。縁あって私が昨年4月から今年3月の1年間体験をさせていただきました。今回は、その体験の一部をご紹介させていただきます。
私がモニターをした陸上自衛隊相浦駐屯地は、佐世保市の西部の海岸地区にあり、水陸機動団本部が所在しています。水陸機動団とは、陸上総隊の運用態勢の下、自衛艦隊、航空総隊、在日米軍等と連携して、佐世保市に全国で唯一の上陸作戦の専門部隊として2018年に創設された離島防衛等の水陸両用作戦を実施する部隊です。
また、2100人の隊員が在籍されていることを佐世保市の経済面でみると、平成29年の佐世保商工会議所調べで、隊員の平均年齢は30代と若く、隊員のご家族も含めた佐世保市での消費効果は約63億円という高い経済効果が毎年発生すると算出されています。
(水陸起動団の役割)
出典:陸上自衛隊水陸機動団webサイト(https://www.mod.go.jp/gsdf/gcc/ardb/210-role.html)
私がはじめてモニターとして参加したのが、「水陸機動団創隊5周年、相浦駐屯地創立68周年記念式典」でした。
式典には、長崎県知事や佐世保市長を始め、水陸起動団を応援する多くの市民がお越しになっており、あらためて佐世保市は、自衛隊と深く関わっている街だと認識しました。
式典では、観閲行進や訓練展示などが行われ、その中でも遠くから巨大なヘリコプターが相浦駐屯地に向かって飛行し、空から隊員が次々にパラシュートで敷地に降りてくる訓練や、ヘリコプターが近くまで飛んできたときの(近くといっても何十メートルも離れています)、プロペラが回転する音、吹き付ける風の迫力に驚きました。
(水陸機動団創隊5周年、相浦駐屯地創立68周年記念式典)
出典:佐世保自衛隊講演会webサイト
出典:陸上自衛隊水陸機動団webサイト(https://www.mod.go.jp/gsdf/gcc/ardb/510-gallery.html)
次のモニターは、レンジャー帰還式です。レンジャーとは、有事の際、主力部隊とは別に行動する少数精鋭のチームで敵陣深く侵入し重要攻略目標を奪取又は排除する事を目的とし、強靭な肉体と不撓不屈の絶対に諦めない強い闘志が求められ、陸上自衛隊の隊員の中でも特に能力が高いものとされています。
山地機動や水路潜入など約3ヶ月にわたる過酷な訓練を終え(約50キロの重い荷物を背負いながらの飲食や睡眠の制限もあったそうです)、駐屯地内にヘリで降り立った24名の隊員たちが家族や部隊の同僚らに迎えられ、拍手と歓声を浴びながら帰還する様子は感動的でした。過酷な訓練を乗り越えた証として、機動団団長から隊員一人ひとりに、レンジャー徽章が授与されました。
(第6期水陸両用レンジャー帰還式)
出典:佐世保自衛隊講演会webサイト
この他、多くの行事や視察などに参加させていただきましたが、1年間のモニターを終え、修了式では、水陸起動団団長で相浦駐屯地司令の北島一 陸将補から修了書をいただき、隊員の皆さんが普段食事をされる食堂で昼食をご一緒させていただきました。この日は、金曜日で隊員の皆さんにも人気の「水陸起動団カレー」を美味しくいただきました。
(駐屯地モニター委嘱修了式)
(水陸起動団カレー)
一年間のモニター体験を通し、本当に多くの方が平和を護るために関わっており、隊員の皆さんが想像を絶する訓練を行い、また自衛隊の重要性を地域の方に理解していただこうとされている活動や姿を知ることが出来き、あらためて平和であることのありがたさ、大切さを感じました。
最後に、「平和を祈るまち長崎、平和を護るまち佐世保」の二つの平和を持つ長崎県に生まれ、観光業に携わるものとして、観光をとおし私たちが出来るかたちで佐世保市を訪れる多くの皆さんに平和の大切さを伝えていきたいと思います。
◆参考ウェブサイト
・水陸起動団ウェブサイト
https://www.mod.go.jp/gsdf/gcc/ardb/
・佐世保自衛隊後援会ウェブサイト
https://sasebo-jieitai-koenkai.jp/
◆オススメツアー
・SASEBO軍港クルーズ
https://www.sasebo99.com/tour/100011
・海軍さんの散歩道
https://www.sasebo99.com/tour/100106
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