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ブログタイトル 日本遺産認定!旧日本海軍が建設した高さ136mの塔を間近で見学

日本遺産認定!旧日本海軍が建設した高さ136mの塔を間近で見学-1

ここはハウステンボスから車で10分ほどの場所にある、佐世保市南部の針尾地区。みかん畑が多く、自然豊かなこの場所に、圧倒的な存在感を誇る3本の塔があります。

この塔は「旧佐世保無線電信所(針尾送信所)」の無線塔。佐世保が軍港都市として栄えた旧海軍時代、大正7(1918)年から大正11(1922)年にかけて建設された送信施設です。

これらは、現存する貴重な近代化遺産として、国の重要文化財に指定されているほか、2016年に日本遺産に認定された「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち~」の構成文化財の一つにもなっています。

建設に4年!費用は現在の金額で250億円!
針尾送信所の設置が計画されたのは、日露戦争後のこと。日露戦争で無線通信の重要性を認識した旧日本海軍は、日本周辺の通信網を整備するため、千葉(船橋)と台湾(高雄)、そして佐世保の3ヵ所に無線局を置くことを決めます。4年の歳月をかけ、最後に完成したのがこの針尾送信所。建設には当時155万円、現在の金額で250億円という莫大な費用を投じたそうです。それほど重要な施設だったということですね。

 

遠くから見ても、ものすごい存在感ですが、近くに来てみるとその大きさは圧巻!

 

その高さ136m!
東京タワーの展望台が地上145mですから…や、やっぱり高い!


このように巨大になったのは、当時、遠距離無線通信には「長波」が適していると考えられていたからだそうです。長波は強力な電波で、長いアンテナから発信しなければ遠くまで届かなかったため、こんなに大きな塔が3本も必要だったのですね。当時は塔の間に、長いアンテナ線が張り巡らされていて、実際にここから1,850km先まで電波を飛ばすことができたそうです。

無線塔は、現在、針尾無線塔保存会の方々が管理されていて、見学には保存会のボランティアガイドの方が同行してくれます。すぐ近くに見えているのは、3号塔。3本は1辺300mの正三角形に配置されていて、その中心には電信室とよばれる鉄筋コンクリート造の通信施設もあります。無線塔と送信局舎の両方が現存しているのは、国内で針尾送信所だけなんですよ。

当時の最新技術を駆使して建設された針尾送信所は、日本海軍の重要な施設として、主に中国大陸、東南アジア、南太平洋方面に展開する海軍部隊、艦隊との通信に使用されました。針尾無線塔といえば、太平洋戦争開戦を告げた「ニイタカヤマノボレ1208」を送信したという話が有名ですが、ガイドさんの話によると、打電したという確かな資料はなく、事実ははっきりしないそうです。

この木立を抜けると、いよいよ無線塔の真下へ行くことができます。
近づいてくると、ドキドキする…。

わー!どでかーい!!
こうして見上げると、何だか天にも届きそう。
あたた、首が痛くなりました。
 

建物は鉄筋コンクリート造ですが、当時の日本では最新の技術だったそうです。よく見ると、長方形の細長いコンクリートの板が、いくつも積み重なっていることがわかります。

扉がある塔の真下に来ました。
下部の直径は12m!根元はこんなに太かったんですね。
この地下には、深さ6m、直径約24mの基礎が築かれているそうですよ。136mの塔を支えるには、大変な基礎工事が必要だったのでしょうね。

内部も見学させていただきました。
これは長いアンテナ線の緩衝装置。アンテナ線が風でたわむことがないよう、おもりがつけられていたそうです。

内部から頂上部分を見上げると、井桁に組まれた鉄骨が見えます。
途中に開いている小さな窓は、採光と換気の役割があるとのこと。内部にリフトや階段はなく、頂上まで登るには、壁面につけられたはしごを使わなければなりません。想像しただけでも、疲れそう。

無線塔のガイドや管理を行っている「針尾無線塔保存会」の久野さんに、貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。

無線塔の下からは、渦潮で有名な針尾瀬戸や新西海橋が望めます。
当時の方たちも、この美しい海を眺めていたのでしょうか。

完成してからもうすぐ100年になる無線塔。
そのほとんど劣化していない美しい壁面には、本当に驚かされました。最初は巨大すぎて怖いくらいでしたが、ガイドさんの話を聞きながらじっくり見ると、当時の旧日本海軍の技術力の高さ、この針尾送信所へかける思いが伝わってきて、胸が熱くなりました。ぜひ、みなさんも見学の際は、ガイドさんの話に耳を傾けてみてください。

針尾送信所

所在地:佐世保市針尾中町
見学時間:9時〜12時、13時〜16時
TEL:0956-58-2718(針尾無線塔保存会)

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