UMIKAZE Blog
海風旅ブログ
キリシタンの島 黒島へ行ってみよう!
西海国立公園九十九島の海域には大小208の島々が浮かんでいます。そのうちのほとんどが無人島ですが、黒島、高島、前島、鼕泊(とうどまり)島の4つは人が住んでいる有人島。今回はその中で最も大きな「黒島」をご紹介します。
江戸時代、多くのキリシタンが迫害から逃れるため、黒島に渡ってきたといわれています。そして、今も潜伏キリシタンの子孫となる人々が暮らしており、島民の約8割がカトリック信者です。明治時代に造られたレンガ造りの「黒島天主堂」は島のシンボルとなっており、天主堂を含む黒島の集落は、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産として、現在“世界遺産候補”になっています。
①黒島をめぐる旅のスタートはここから
この記事は2018年2月時点の情報です。
黒島へのアクセスは、佐世保市西部の相浦港からフェリーで約50分。一日3便が運航されています。※相浦港発 10:00/13:00/17:00 黒島港発 6:40/11:10/15:30(往復運賃1,370円)
黒島港に着いたらまず訪れたいのが↑こちら、港のすぐそばにある黒島ウェルカムハウス(黒島観光協会)です。施設内には観光案内所と、黒島でとれた野菜や魚介・特産品が買える直売所も併設されています。島の畑は赤土で、じゃがいもや玉ねぎなどの根菜類がおいしいんですよ♪
ウェルカムハウスにはレンタサイクル窓口(1時間300円)もあります。島には公共交通機関がないので、島内散策は自転車がベスト!電動アシスト自転車なので、坂道もラクラクです♫「島めぐりにレッツゴー!」
【黒島ウェルカムハウス】
住所:佐世保市黒島町8-4 電話:0956-56-2311
営業時間:9:00~17:00 (物品販売: 10:00〜16:00)休日:不定休
ホームページ:http://kuroshimakanko.com/
②世界遺産登録が期待される「黒島天主堂」を見学
最初にご紹介するのは黒島天主堂。明治35(1902)年にフランス人マルマン神父の指導のもと、島民たちの手によって2年の歳月をかけて造られたといいますが…、今のようにトラックも重機もない時代に、こんなに立派な教会を建てるなんて!当時の方々の教会へ掛ける思いが伝わってきます。
事前に予約すれば、中を見学することもできます。内部も立派で細部の装飾にまでこだわって造られているのがよくわかりますね。天主堂に飾られている像の多くはマルマン神父が資金調達のため、フランスに戻った際に購入してきたものといわれ、ステンドグラスやアンジェラスの鐘などもフランス製だそうです。
時間帯によっては、ステンドグラスの光が差し込むこんな光景↑が見られることも。教会の祭壇の床には、おとなり佐賀県有田焼の磁器のタイルが使われています。
【黒島天主堂】
住所:佐世保市黒島町3333番地
お問い合わせ:インフォメーションセンター095-823-7650(9:30~17:30)
http://kyoukaigun.jp/
※見学について:見学の際は予約が必要です。教会は信者のみなさんにとって大切な祈りの場です。マナーを守って見学してください。教会の規定に従ってご見学ください。
③十字架の墓石が並んだ黒島らしい光景
続いてご紹介するのは、カトリック共同墓地。禁教令がとけて、カトリックに復活した信徒はここに埋葬されるようになりました。島で採掘される“御影石”を使った十字架の墓石が黒島らしいですね。教会建設を指導したマルマン神父もここに眠っているそうです。
④展望所から見渡す大海原に感動!
島イチバンのビュースポット蕨(わらべ)展望所も見逃せないポイントの一つ。長崎鼻の断崖と五島列島を望む大海原が見渡せます。手づくりのベンチに腰掛けてちょっと休憩♪季節の花々も素敵です。
【蕨展望所】
黒島天主堂から約1.5km、黒島港から約2.5km
⑤島カフェのおいしいコーヒーでひと休み
島めぐりの休憩スポットがこちら↑、島で唯一のカフェ、Cafe海咲(みさき)。パスタやピザなどの軽食、スイーツがいただけます。店内は木のぬくもりを感じる素敵な空間。焼酎やオリジナルグッズも販売されています。
一番のおすすめは、黒島の天水に合わせて焙煎ブレンドしたスペシャルティーコーヒー豆で淹れる「黒島ブレンド」(400円)。黒島は地下水が豊富で、それが潜伏キリシタン定住の理由になったともいわれているんですよ。↑香り豊かな淹れたてです♪
【Cafe海咲】
住所:佐世保市黒島町4160-9 電話:0956-56-2310
営業時間:10:00~16:00 店休日:年中無休
HP:http://www.mizuya-tensui.com/cafe_misaki.html
⑥島のとれたて食材を使った「島めし」を堪能
事前に予約しておけば、島の旅館や民宿でとれたての魚介や野菜を使った「島めし」を味わうこともできます。その日の朝に水揚げされた新鮮なお刺身や、伝統の製法で作られる黒島豆腐など、ここでしか味わえない島のごちそうに舌鼓♡これぞ島旅の醍醐味です。
【島めし提供店】
民宿つるさき:0956-56-2038/喜久屋旅館:0956-56-2002/山した旅館:0956-56-2016
⑦島に伝わる饅頭&豆腐づくりを体験
時間に余裕がある方は、島ならではの伝統料理づくりに挑戦してみませんか。↑写真は「ふくれまんじゅう」づくり体験の様子。生地で小豆あんを包み、サツマサンキライの葉に乗せて蒸していきます。島では昔からお祝い事のときに作られていたそうですよ。
ふっくらと蒸しあがったお饅頭、美味しそうです♡島のお母さんたちが優しく教えてくれるので、初心者の方でも大丈夫ですよ。
名物「黒島豆腐」づくりも体験できます。島豆腐はにがりの代わりに黒島周辺のきれいな海水を使うのが特徴で、大豆感が残るやや固めの食感。普通の豆腐4個分が黒島豆腐の一丁なのだそうです。ずっしりとして、確かに大きい!
【ふくれまんじゅう体験】
所要時間:約2時間 体験料:ひとり2,000円 人数:5~10名
【黒島豆腐体験】
所要時間:約4時間 体験料:ひとり3,000円 人数:2~10名
キリシタンの歴史と自然を感じる黒島の旅、いかがでしたか。島内には旅館・民宿もあるので、宿泊してゆっくり島旅を満喫することもできます。島のガイドさんが見どころを案内してくれるコースもあるので、ぜひ利用してみてくださいね。
【NPO法人黒島観光協会】
電話:0956-56-2311
※体験プログラムは7日前までの予約が必要です。