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九十九島と九十九島せんぺい-1


第12回 九十九島と九十九島せんぺい


佐世保の銘菓として愛されている「九十九島せんぺい」は昭和26年に誕生しました。
昭和23年、終戦の翌年に京坪町で菓子屋を創業しましたが、砂糖も統制下の中、当初は粗糖(精製していない砂糖)から芋飴や一般的な煎餅を焼いて販売していました。昭和25年に現在のせんぺいの発想が浮かび、約1年間の試行錯誤の末に完成。小麦粉や砂糖の種類・配合割合、生地の寝かせ方、火の入れ方などを繰り返し検討して出来上がった商品です。
その際に「佐世保の名所・九十九島を表現したい」「名物にしたい」という思いから、海を表し長寿の象徴である亀の甲羅の六角形とし、ピーナッツを島々に見立てて、現在の九十九島せんぺいとなりました。
 

表面の文字は卵白でできており、刷り込みは一枚一枚手作業で行っていて、熟練の技が必要です。このように独創的な製造方法であったため、昭和28年には製法特許を申請し、煎餅類では京都の八ツ橋煎餅に次ぐ特許取得となりました。
その後、地方の発展と共に佐世保の銘菓として育ち、長年多くの皆さんに愛されてきたことを大変うれしく思っています。九十九島の素晴らしさをもっと多くの方に知ってもらい、自然豊かで風光明媚な佐世保を紹介していくこと。それが、これからの九十九島せんぺいの大切な役割の一つだと考え、共に発展していきたいと願っています。

(文:㈱九十九島グループ 常務取締役 森田 伸一さん)

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