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海風旅ブログ
九十九島と音楽
九十九島をモチーフにした音楽といえば「西海讃歌」が真っ先に思い浮かびます。 日本を代表する作曲家で、九州にゆかりがある團伊玖磨氏の作品です。
空いっぱいに 空があるように
海いっぱいに 海があるように
人よ 心いっぱいに 美しい心をもって
この空を この海を この土を 愛そう
平戸市出身の作詞家・藤浦洸氏のこの詩に弓張岳で出会った團氏は 作曲を依頼した富永雄幸氏と固い握手を交わしたといいます。 西海国立公園指定15周年を記念し、前年の1969 年に「西海讃歌」は誕生し、 2001 年のアルカスSASEBO のこけら落としの際には團氏の指揮により演奏されました。
西海国立公園指定50 周年を記念した「九十九詩人」はアルカスを会場として開催されている させぼ夢大学が作詞家・阿久悠氏と作曲家でピアニストの羽田健太郎氏に依頼し、2005年に制作されました。
そして、指定60 周年を迎えた2015 年からアルカスでは「アルカス九十九島音楽祭」を開催しています。 この音楽祭は、九十九島にちなんだテーマを設け、市民が中心となり、演奏などを披露する夏の一大イベントとなっています。 音楽祭の中では、アルカスSASEBO ジュニアオーケストラが毎年、会場の皆さんと一緒に「九十九詩人」を演奏しており、 今では全員が口ずさめる愛唱歌となっています。
壮大なオーケストラと合唱のための「西海讃歌」と優しさの「九十九詩人」。 この二つの宝がアルカスという船に乗り、世代を超えて永く歌い継がれ、 美しい自然を愛する心が全ての人に宿り続けることを切に願っています。
(文:アルカスSASEBO 館長 永元 太郎さん)